VERTERE – MG-1 PKG MK2 レビュー|専用電源LunAとISO-PLATも試す

U-BOYです。

当店でVERTERE(ヴァルテレ)のプレーヤーをお求めになるお客様は、圧倒的にMG-1 PKGが中心です。常設機こそ上位のSG-1 PKGですが、MG-1もお客様の試聴リクエストをいただき何度もデモしてきました。

それだけ多くの方に選ばれているのに、MK2になってからきちんとした紹介記事を書いていませんでした。

今回、MG-1 PKG MK2向けのリニア電源LunAと、アイソレーション・プラットフォームISO-PLATをあわせてお借りできました。MG-1の魅力を改めて整理しつつ、この2つで何が変わるのかをお伝えします。

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ブラック仕上げ

VERTEREが目指す音には一貫性がある

DG-1からMG-1、SG-1、RG-1まで、VERTEREのプレーヤーはひと通り触ってきました。そのうえで感じるのは、メーカーとして目指す音に一貫性があるブランドだということです。

鮮度が高く、抜けとスピードに優れる

VERTEREの音は、音色を楽しむノスタルジックなアナログサウンドとは方向が違います。

振動の収束が早いことに起因しているのだと思いますが、とにかく音の鮮度が高い。抜け感やスピード感に優れる傾向があります。

上位モデルほど、アナログが苦手とされてきた部分が伸びる

他社のプレーヤーは、上位モデルになるほど物量が投入され、重厚な音に向かう傾向があります。

VERTEREも上位モデルになるほど、物量による低域のエネルギーは増します。ただ、それ以上に伸びるのは別の部分です。余計な振動がなくなるからなのか、解像度、微弱信号の表現、音が重なったときのレイヤー、定位の再現性がとても高くなっていきます。

いずれもアナログ再生が苦手とされ、デジタル再生が得意としてきた領域です。この点は、他のアナログプレーヤーとの大きな違いでしょう。

振動するもの同士を干渉させない設計

音の一貫性を支えているのが、主宰者トラジ・モグハダム氏の設計思想です。

氏の考え方はシンプルで、基準にするのは回転の中心軸と、音溝に触れる針先の2点。回転軸を明確にしたうえで、針先が音溝によってのみ振動する状態をつくることが設計のすべてだといいます。

そのため、モーター、レコードをトレースするスタイラス、トーンアームの可動部など、物理的に振動するもの同士が互いに影響を与えないよう、巧みな処理が施されています。MG-1もその思想をそのまま受け継いだモデルです。

MG-1 PKG MK2が選ばれる理由

MK2での変更点

MG-1 PKG MK2の日本発売は2022年7月。本体はMG-1 mk2のまま、モータードライブとトーンアームを上位モデルSG-1 PKGに準じた仕様へ改めたパッケージです。

モータードライブはSG-1 PKG用に開発されたTempoで、RG-1用モータードライブの制御回路を受け継いでいます。トーンアームのSG-TPAには、3つの窒化ケイ素ボールで支点を受けるTPA-ULSベアリングと、改良型カウンターウエイトを採用しました。

旧モデルからのアップグレードも可能です。
導入の時期によっては、アームはMK2仕様で納入されているケースもございます。シリアルをご確認の上、ご相談ください。

カートリッジとの相性問題が起きにくい

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改めて強調しておきたいのが、アームチューブに付いたリングです。

このリングを前後させると、カウンターウエイトとの位置関係によって、アームの有効質量とカートリッジとの共振周波数を変えられます。

カートリッジには、低域共振の位置や、ローマス・ハイマスといった重量による相性問題がつきものです。一般的なアームでは、その相性をユーザー側で調整する手段がほとんどありません。

MG-1なら、リングの位置でアーム側をカートリッジに合わせられます。
カートリッジを選ばず、それぞれの持ち味を引き出しやすい。大きな美点のひとつです。

出荷時期によるマイナーチェンジ

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MK2化で電源とアームが改良されたことは、公式にアナウンスされています。ただ実際には、それ以外にも出荷時期によって細かな変更が加えられてきました。

現場で設置や調整をしていると、以前の個体と違うことに気づく場面が少なくありません。MG-1に触れた回数は、おそらく代理店の次くらいに多い自負はありますが、現場で調整していると、あ、ここの仕様が変わったな、と思うことがたくさんありました。

具体的な中身への言及は控えますが、誰が見てもわかる違いがひとつあります。
足回りが、SG-1と同じようなクロム仕上げになりました。以前はクリアモデルは、アルミ仕上げ、ブラックがオレンジでした。

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脚部は、クリアー/ブラックどちらもSG-1と同じ鏡面仕上げに変更されました

MG-1で手を入れられるのは電源

SG-1は、パーツを交換していくことでRG-1相当まで引き上げられる設計です。一方、構造の異なるMG-1でアップグレードできるのは、電源に限られます。

トラジ氏が来店された際、直接説明を受けたことがあります。最初に手を入れるべきは電源。それだけ電源がプレーヤーの音を左右するということです。

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リニア電源 LunA

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モータードライブ、Tempoに供給する電源です。

LunAは、Tempoへクリーンで安定した電力を供給する外部リニア電源です。回路は、上位のモータードライブImperiumのリニア電源部がベースになっています。

出力は30V DC(最大4.5A)で、筐体はアルミニウム合金製です。ACケーブルは着脱式のため交換もできます。

サイズは135W×195D×54Hmm、質量1.0kg、価格は352,000円(税込)。Tempoと外観を揃える交換用フェイスプレート(33,000円・税込)も別売で用意されました。

LunAのあり・なし

IMPERIUMは、以前CALONの記事でご紹介しています。さすがにあのレベルとまでは言いません。

それでもLunAを加えると、出てくる音の鮮度感とスケールの大きさに、はっきりとした違いが現れます。VERTEREらしさがもう一段引き出される方向の変化です。

音がより立っていると言いますか、1つ1つの音に力があり、生き生きしています。一般的なオーディオで、付属のアダプターをリニア電源に変更したあの感じと同じ変化です。

アイソレーション・プラットフォーム ISO-PLAT

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2層構造
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トッププレートを外した状態

VERTEREがプレーヤー本体の中で徹底してきた振動対策。ISO-PLATは、それをラックとの境界まで広げる製品です。プレーヤー本体と床、つまりラックとの共振を遮断する目的と考えてよいと思います。

15mm厚キャスト・アクリルの2層構造に、4点分離型のシリコン/ニトリル製アイソレーターを搭載しています。脚部は精密な水平調整に対応し、リア側には電源ケーブルとトーンアームケーブルを固定するクリップが2か所あります。

サイズは474W×457D×55〜65Hmm、質量6.0kg、価格は352,000円(税込)です。

SG-1以上のモデルは3枚構成です。ISO-PLATを組み合わせると、MG-1も見た目がそれに近づきます。

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左:標準のSG-1 / 右:ISO-PLATを追加したMG-1

ISO-PLATのあり・なし

ISO-PLATのあり・なしを比べました。

電源が音の質そのものを変えるとすれば、ISO-PLATで変わるのは音の佇まいでしょうか。音の出方がスムーズになる印象を受けました。電源の方が変化がわかりやすいのは確かですが、これだけ振動対策されているプレーヤーでもISO-PLATを入れることでまだまだ伸びしろがあるのがわかります。

電源は音の質、ベースは佇まい

LunAとISO-PLATは、どちらもMG-1 PKG MK2の音を引き上げてくれます。
ただ、効いてくる方向は別物です。

電源は音の質を変え、ベースは佇まいを整える。
どちらから導入するか迷われているなら、トラジ氏の言葉どおり、まずは電源からをおすすめします。

こんな方にVertereはおすすめです

・ノスタルジックな音色より、鮮度や抜け、スピード感のある現代的なアナログサウンドを求める方
・解像度や定位、音の重なりの表現にこだわる方
・気分でカートリッジを取り替えるのではなく、気に入ったカートリッジのポテンシャルを最大限生かしたい方
・アナログの調整が苦にならない方、自分好みの音に仕上げたい方

MG-1 PKG MK2、LunA、ISO-PLATの試聴は、事前にご連絡いただければご用意いたします。設置・調整も含めて、お気軽にご相談ください。

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