Soulnote Z-3+D-3+X-3を試聴しました

U-BOYです。

独自のデジタルリンク、ZERO LINKで話題のSoulnote新製品、Z-3+D-3+X-3を試聴させていただきました。

一般的なトランスポートとD/Aコンバーターを接続するSPDIFに代わり、今までもデータとクロック信号を独立して伝送するI2Sという方式は存在していました。

従来のI2S伝送は、トランスポート側のクロックをマスターとして伝送し、DAC側ではそのままクロック信号を同期したりリクロックしていました。

ZERO LINKは通信をするのが特徴で、あらかじめトランスポート側がDAC側に送る音源の周波数を伝え、DAC側がそれに合わせたクロック信号をトランスポート側に送ります。トランスポートはDAC側のマスターで同期させることができるのが大きな特徴です。これによりジッターの少ないピュアな音楽信号をDAC側に送ることが可能です。

今回のD-3にはX-3などの10Mクロックが無いと機能しない設計になっています。

Z-3にクロック入力が無いのは、ZERO LINKでDAC側のクロックで同期させるためです。

D-3にもUSB入力がありますので、PCからD-3にUSB接続した場合と、Z-3にUSBで接続し、ZERO LINK経由でD-3へ接続した場合で比較もしましたが、透明感や音の深みに大きな違いを感じました。

Z-3は、USBまたはSFPポートによるネットワーク経由で受けたデジタル信号を、ゼロリンクまたはUSBで出力するネットワークトランスポートです。

DLNA/UPnPに加えDiretta入力にも対応し、また、ゼロリンクブリッジとしても利用可能で、PCやオーディオサーバーからUSB typeBで「Z-3」に入力し、「D-3」などにゼロリンク出力するといった再生方法も可能です。

現時点ではRoon Readyには対応していませんが、将来的には対応する予定のようです。

D-3は、左右チャンネル用に、出力端子、Type-R回路、電源回路、電源トランス、リレー駆動回路、リレー電源まで、全く同じものを2つ使用する、いわゆるツインモノラルコンストラクションを採用しています。またデジタル系電源もトランスを含め完全分離しており、さらにアナログ信号系との接点となるリレーのコントロール信号は、アナログフォトカプラーで完全に分離されています。

シャーシは、基板マウントアルミベースごと無固定として、解放的でよりエモーショナルな音質を実現しています。アナログ回路基板は左右独立の基板シャーシにマウントされ、リアパネルからも独立しています。

10MHzクロックジェネレーターX-3は、音質で選びぬいたSCカット超低位相雑音OCXOを搭載し出力抵抗には、温度特性に優れ人工衛星グレードの超精密抵抗を更にカスタマイズしたネイキッドフォイル抵抗を採用しています。内部には大容量200VAのトロイダルトランスと超高速SiCダイオードを採用し低倍率小容量電界コンデンサを多数並列接続して整流コンデンサ群を構成し、レギュレータにはSOULNOTE独自の無帰還ディスクリート電源を投入しています。

ZERO LINKは同期させる10Mクロックの性能に大きく左右されると思いますが、このX-3が音質に寄与する部分はかなり大きいと感じます。

従来のS-3やD-2ユーザーにも強く勧められるマスタークロックです。

セットで、試聴をしてみると、広がりもありながら定位感もしっかりとあるのですが、硬さがなく非常に自然で、すっと音楽の世界に連れて行ってくれる音だなと感じました。

全体の音色は、明るく楽しくも聞けるのですが、よく聞くと情報量もありながら、深みもあり、ただそれを最もらしく表現するのではなく、ごく自然に聞かせてくれたのには、驚きでした。

設計者の加藤さんが仰っていた”音楽をなるべく殺さない”というのはまさにこのことなんだ、というのが実感できました。まさにSOULNOTE製品の一つの集大成といっても過言ではない素晴らしいできであるといった印象でした。

ご興味を持たれた方は、ぜひ当店にお問い合わせください。

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