EMT フォノイコライザー、JPA66MK3試聴レポート

U-BOYです。

EMTのフォノプリアンプ、JPA66MK3を期間限定でデモしております。

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下位モデルのEMT128は常設展示中です。

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同社の66周年記念として発表された初代のJPA66から、代を重ね、80周年記念モデルとして今回のMK3が発売されました。

2006年 – 同社66周年を記念し、JPA66発表
2009年 – 3年の開発期間を得て、JPA66発売

2017年 – JPA66MK2発売
メイン出力(RCA とXLR)の同時使用が可能
ポラリティー(極性)スイッチを追加
RCA 出力のグラウンドスイッチ(Lift or Normal)を追加


2020年 – 同社80周年を記念し、JPA66MK3発売
独自の可変低域忠実度機能(If-FIdelity)搭載

試聴には、プレーヤー VERTERE SG-1PKG、カートリッジ Lyra Atlus λを使用しました。

JPA66MK3は4系統のフォノ入力に加えて、2つのライン入力を備えており、通常のプリアンプとしても使用できます。今回はボリュームを固定とし、フォノイコライザーとして試聴しております。

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4つのフォノ入力を搭載、入力1 / 2がMC、入力3 / 4がMM

4つのフォノ入力はそれぞれ仕様が異なります。

  • Phono 1
    用途:中~高インピーダンスMCカートリッジ用、全てのEMTスタンダード仕様カートリッジ
    入力ロード:レベル微調整可能(感度/負荷抵抗:1mV,200Ω 50%~200%)
  • Phono 2
    用途:低インピーダンス/低出力MCカートリッジ用、オルトフォンその他
    入力ロード/レベル調整可能(感度/負荷抵抗:0.250mV,68Ω 50%~200%)
  • Phono 3
    用途:MMカートリッジ用または外部ステップアップトランス経由用、47kΩマッチング
    入力ロード/レベル調整可能(感度/負荷抵抗:5mV,47kΩ 50%~200%)
  • Phono 4
    用途:高出力(MONO)MC、MMカートリッジ用
    入力ロード/キャパシタンス調整可能(感度/負荷抵抗/CAP負荷:5mV(FIX)47kΩ 50%~200%/Normal +100/220/330pF)

2つのMC入力はXLR接続も可能です。

LyraのAtlus λ(出力:0.56mV / インピーダンス: 4.2Ω)にて、入力1と2で比較したところ、入力1の方が好ましい結果でしたので、入力1を基準として試聴しました。

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各フォノ入力ごとにインピーダンスとゲインが調整できます。入力4のみゲインは50dB固定でキャパシタンスが可変可能

イコライザーカーブも、デッカ、コロムビアカーブといった固定ポジションではなく、無段階でTurnoverとhf-Curveが可変できます。位相反転、モノラルポジションも備えており、あらゆるカートリッジ、レコードに対応できます。

MK3となり、If-FIdelityといった新機能も搭載されていますが、従来のモデルと比べるとノイズレベルが下がり、レンジも広くなりました。

厚い音を基調としながらも、伸びやかで気持ちの良いサウンドです。

ゲインは上げた方がEMTらしい豊潤で熱いサウンドで、+10dBにしても、うるさくならずネガティブな要素は感じませんでした。各種パラメーターで音の印象が変わりますが、神経質にならずに安心して聴くことができます。

王道のサウンドです。

聴いて、触って、楽しいイコライザーで、仕事を忘れて聴き入ってしまいました。

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