U-BOYです。
SOULNOTE ver2シリーズの中からその要といってもよい「 A-2ver2 」をメーカーのご厚意により試聴させて頂きました。以前から発表はされていて各種ショーでは何となくは聞いており気になってはいたのですが、なかなかお借りする機会がなく、今回ようやくお借りすることができましてレビューを行いたいと思います。

今回、A-2をVer2化するにあたり、設計者の加藤さんが非常に興味深いアプローチをされているなと個人的に思った点があります。それはピーク出力値を犠牲にしても電流量の充実を図っている点です。スペック上、過去のA-2は100W(8Ω)に対して、今回のA-2ver2は80W(8Ω)になっています。通常のメーカーであればハイパワーの方向に考えが行きがちですが、あえて実質的な電流量にこだわりを持つところに加藤さんの発想の柔軟さ・ユニークさを感じました。

構成は非常にシンプルで、まさにパワーアンプにセレクターとボリュームを付けただけですが、そこに信号を劣化を許さず鮮度を守りきるためのこだわりが、強く感じられます。アンプ回路には帰還ループを一切持たない完全無帰還アンプを採用しています。出力段は、A-3で採用した高速&高出力TO3Pトランジスタによるパラレルプッシュプル回路を採用しています。出力段のトランジスタはhfeで精密にペアリングし、パラレルプッシュプルの欠点である音の滲みを極限間まで排除したとのことでした。

ドライバー段にも出力段と同じTO3Pトランジスタを採用しており、ドライバーに大電流を流しておくことで、出力段の電流変化によるhfe変動を瞬時に補完し、強力な駆動力を発生させることが可能となりました。
加藤さんが、今回のVer2にハイパワー化ではなく、大電流化を検討した背景には、過去の経験で無帰還+4段ダーリントン回路を採用した際に、増幅動作の中でどうしてもドライバー部分における電力が不足してしまう瞬間があるため、それをどうにかできないかという発想から来ているようでした。
瞬間的なハイパワーよりも、スピーカーに対していかに安定して電流を送れるかの方が大事であり、それが豊かな音楽表現につながるため、今までの4パラレル・プッシュプル構成をあえて2パラレル・プッシュプルへと変更してなおかつコンデンサー容量も増やして相対的に電流が流れるような構成をしたとのことでした。

実際に音を聞いてみると、出力パワーが減った印象はほとんど感じられず、鮮度感の良さ・力強さ、音の厚みや正確な空間表現に加えて、一段ねられた丁寧な表現が感じられます。
前回のA-2では、力強さや鮮度感はあるものの、よくも悪くも情報量をそのままストレートに出していた印象でした。録音が悪い音源に対しては、悪い部分がどうしても目立ってしまいがちでしたが、今回のVer2では、録音が悪い音源に対しても、その良い部分を引き出してくれる感じが見られます。ジャンルを問わず録音の良し悪しを問わず、もっと音楽を聴きたいと思わせてくれるアンプだなと感じました。
勿論、録音の良い音源に対しては、見通しの良さや空間表現の正確性がはっきりと感じられ、録音エンジニア意図が手に取るようにわかります。今回組み合わせたスピーカー自体は決して鳴らしやすいスピーカーではなく、今までの80Wクラスのアンプでは鳴らしきれないイメージでしたが、A-2ver2 では、らくらくとドライブさせている印象があり、加藤さんの仰っていた電流量の大切さを痛感しましたし、エンジニアとしての音のまとめの凄さも実感しました。
ご興味のある方は是非当店までお問合せください。

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