TOP WING OPT REF SW レビュー|15年使えるリファレンス・スイッチングハブ

U-BOYです。

トップウイングから登場した、オーディオ用ルーター、DATA ISO BOXはネットワークオーディオに一石を投じる製品で、多くの方が愛用されています。
その後のSFPケーブルを始めとする関連商品も含め、今一番勢いのある会社ではないでしょうか。

そして、満を持して、ネットワークスイッチの登場です。
発売前から弊社でも多くのお問い合わせがありました。WEB公開前にこれだけ反響のある製品はなかなかないと思います。

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TOP WINGの OPT REF SW。一から設計された、完全オリジナルのオーディオグレード・スイッチングハブです。

当店では同社のオーディオ用ルーター DATA ISO BOX をすでに常設導入しており、今回 OPT REF SW も常設機材に加えました。実際に鳴らし込んだうえでのレビューをお届けします。

なお、DATA ISO BOX については別記事でご紹介しています。あわせてご覧ください。

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目次

OPT REF SWとは

OPT REF SWは、TOP WINGが「15年、第一線で戦うための設計」を掲げて開発したオーディオグレード・スイッチングハブです。

ネットワーク機器の世界では「データが届けばよい」という思想が支配的ですが、オーディオではそれだけでは足りません。問題になるのは、データそのものではなく、伝送過程で発生する電流変動、クロックの揺らぎ、ポート間のノイズ伝搬といった、外からは見えない要素です。

OPT REF SWは、その見えない領域を設計対象としてつくられた一台といえます。

設計上のポイント

SFP中心のポート構成

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LAN 5ポート、SFP 3ポート、SFP+/SFP 4ポートを搭載。

注目すべきはSFPポートの多さ。一般的なオーディオ向けハブはLAN中心の構成ですが、OPT REF SWはSFPの全面活用を前提としています。SFPポートは光モジュールを使えば電気的に絶縁された接続が可能で、ネットワークオーディオの音質追求における発展性を持たせやすい構成と言えます。

Super TCXO MEMSクロック+低位相ノイズDPLL

クロックは二段構成を採用しています。

クロック源には±50ppbのSuper TCXO MEMSクロックを使用。従来のOCXOのようなヒーター(恒温槽)を持たないため、発熱も突入電流もありません。これは省電力という意味ではなく、周辺回路に余計な電流揺らぎを与えないという意味で重要なポイントです。

これに低位相ノイズDPLLによるジッタークリーナー・ディストリビューターを組み合わせ、実効120fs RMSの低位相ジッターを達成しています。長期安定性と短期位相純度を別々に最適化する考え方で、各ポートの動作精度を底上げする構成です。

クロック回路は基板上で独立アイランド化されており、銅パターンと銅製シールドで外来ノイズから守られています。

ポートノイズの最小化

OPT REF SWで特徴的なのは「ポートノイズ」という概念に踏み込んでいる点です。

ネットワークポートは単なる端子ではなく、内部では信号の整形、絶縁、変換が行われ、それに伴って微細な電流変動が発生しています。この変動が他ポートや筐体に伝わると、システム全体のノイズフロアに影響を与えます。

LANポートには、TOP WINGの各種製品で実績のあるチップ型LANトランスを全ポート独立で採用。クロストークの低減とシグナルパスの最短化を両立しています。さらにLANトランス周辺にはコモンモードノイズ抑制のフィルタ回路を配置。

SFPポートはレーザー駆動を伴うため、電流変動がさらに大きい部位です。OPT REF SWはSFPポート専用の電源レーンを設け、他のポートやクロック系への伝搬を分離する構造としました。

外部クロック入力

10MHz/50Ωの外部クロックBNC入力を備えています。1.0–5.0Vpp、矩形波・正弦波いずれにも対応。

将来的に内蔵クロックよりも高精度なマスタークロックを導入することで、さらなる音質向上を狙えます。内蔵/外部の切り替えは自動。

Webダッシュボードでの管理

OPT REF SWはWebブラウザから各ポートのリンク状態や通信速度を確認でき、各種設定変更も可能です。一般的な業務用スイッチでは珍しくない機能ですが、オーディオ用スイッチングハブでここまでのダッシュボードを備えた製品はほとんど見かけません。設定の見える化という意味で、評価できるポイントです。

たとえばVLAN(仮想LAN)の設定もダッシュボードから行えます。すでにオーディオ用ルーターでセグメントを分けている環境では、その下のスイッチでさらに細分化する効果は限定的かもしれませんが、マニアックな使い方として、Roon Ready機器が複数台ある場合にRoonサーバーだけを共通とし、Ready機器同士を干渉させないようなネットワーク構成も可能です。

VLANによるネットワーク分離の基本的な考え方については、以前にバッファローのスイッチを使った、ネットワークオーディオ向けHUBの考察2 で解説していますので、あわせてご覧ください。

試聴インプレッション

試聴には、同社のDATA ISO BOXから、RJ45ケーブルでスイッチに接続。English Electricのアイソレーター、EE 1 を経由しています。

比較対象は、EdiscreationのSilent Switch OCXO2 JPSMとFiber BOX3 JPSMのセットです。

Roon ServerにInnuosのSTREAM 3を使用し、Mola Mola Tambaqui DACへはイーサネット経由で接続しています。
アクセスポイント、OPT APのみ、SFPケーブルで接続しています。

OPT REF SWは外部クロックなし、電源は標準品です。
後述するファームウェアのアップデートにより、LANのLEDの消灯および、不要なSFP回路のみ停止しています。

比較すると、OPT REF SWはスッキリとした見通しの良い音です。ピアノなどの打鍵音が、付帯音を伴わずスッと出て消える印象です。

Ediscreationの方が中域を中心に厚みを感じますが、音の解像感は、OPT REF SWの方があります。
空間表現は広さの方向が異なりますが、両者とも甲乙つけ難いと思いました。空間の広がりはどちらもかなり出ます。

割と好みの領域の違いのレベルだと感じました。
OPT REF SWはSFPを使う環境だとより優位性がありそうです。

ファームウェアアップデートについて

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ファームウェア更新画面

OPT REF SWのファームウェアアップデートは、Webダッシュボードから行います。

ただし、ダッシュボードにアクセスするには、まず本機のIPアドレスを把握する必要があります。OPT REF SWはDHCPでIPアドレスを取得するため、ルーター側から確認するのが間違いありません。

当店のように同社のオーディオ用ルーター DATA ISO BOX 傘下で運用している場合は、DATA ISO BOXの管理画面(192.168.104.1)から、配下の機器一覧とIPアドレスをまとめて確認できます。これがいちばん手早い方法です。

DATA ISO BOX以外のルーターを使っている場合は、PCやスマホのIPスキャンアプリでネットワーク上の機器を探すことになります。ただし最近のiOS(iPhone)ではセキュリティ強化により、サードパーティ製アプリからMACアドレスを取得できない仕様となっているため、機器固有名で確実に特定する手段が限られます。ルーター配下の機器一覧で、ホスト名のないもの・見慣れない機器からあたりを付けていく方法が現実的でしょう。

なお、本機の識別ヒントとして、本体ネームラベルにMACアドレスが記載されています。

アップデート手順

最新ファームウェアの公開情報、ダウンロードリンク、具体的なアップデート手順については、TOP WINGの公式ブログにわかりやすくまとめられています。

参考:OPT REF SWファームウェア情報(TOP WING公式)

なお、ファームウェアアップデート以外の設定変更はメーカーのサポート対象外となりますので、操作に不安のある方は無理をせず、TOP WINGまたは当店までご相談ください。

メーカーのページで事前に新しいファームウェアをダウンロードする必要があります。

まとめ

OPT REF SWは、音楽再生という目的のためにネットワーク構造そのものを再設計したスイッチングハブです。

ネットワークオーディオを本気で詰めていくなら、ハブはもはや無視できない要素。「次の15年も使えるリファレンス」という設計思想に共感できる方には、ぜひ一度音を聴いていただきたい一台です。

当店ではDATA ISO BOXとあわせて常設しております。試聴も可能ですので、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

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https://www.u-audio.com/view/item/000000009524
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