U-BOYです。
TechDASの新製品、Air Force IVをお借りました。
2月中はデモしている予定ですので、ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせ下さい。

型番からもわかる通り、この「Air Force IV」はIIIとVの中間に位置するモデルです。しかし、実際に触れてみると、その設計思想は極めてIIIに近い本格派です。そして、Vのような設置しやすいコンパクトさを見事に両立させています。
これまで扱ってきたIIIとVの記憶と比較しながら、この製品の特徴を紹介します。
TechDASとAir Forceシリーズの思想について
TechDASの「Air Forceシリーズ」共通の思想について簡単に紹介します。
「ラッカー盤」の状態を再現する
TechDASが考える理想のアナログ再生とは、レコードを「カッティングマシンの上で溝を刻まれているラッカー盤(マスター盤)」と同じ状態に戻すことです。
レコード制作の現場では、盤の平滑度を極限まで高めるために、バキュームで盤を吸着して固定します。この「盤がプラッターと完全に一体化し、微塵も揺るがない状態」こそが、溝に刻まれた情報を100%引き出すための絶対条件である、という考えが全モデルに貫かれています。
「空気の力」によるベアリングと吸着
シリーズ名である「Air Force」が示す通り、TechDASは音楽のエネルギーと同じ「空気」を積極的に活用しています。
- エアーベアリング(浮上)
重厚なプラッターを空気の力で数ミクロン浮かせます。これにより、従来のベアリングで避けられなかった摩擦やメカニカルノイズを物理的にゼロにします。 - バキューム吸着(固定)
レコード盤をプラッターに吸い付かせます。盤の反りを矯正するだけでなく、レコード自体をプラッターの巨大な慣性重量の一部として機能させ、針先が溝をトレースする際の不要な振動を徹底的に排除します。
各モデルの違い
![]() Air Force III Premium | ![]() Air Force IV | ![]() Air Force V Premium | |
| 駆動ベルト | 研磨ポリエステル平ベルト | 研磨ポリエステル平ベルト | ポリウレタンゴムベルト |
| サスペンション | 特殊制振材サスペンション(S) エアーダンピング方式(通常仕様) | 特殊制振材サスペンション | エアーダンピング方式 |
| エアーポンプ | 2基(吸着/浮上独立) | 1基 | 1基 |
| モーター設置 | 完全独立(別筐体) | 独立(本体横に配置) | 本体内蔵 |
| プラッター材質 | 砲金(29kg) | アルミ一体型(約9kg) | アルミWプラッター(7kg) |
| 最大アーム数 | 4本 | 3本 | 4本 |

モーターを固定の兼ね合いから、左手前のポジションはアームが付きません。最大で3本アームまで。

脚部は、サスペンションタイプのみです。この脚の恩恵も大きいです。
音質について

今回は、トーンアームにグラハムの「PHANTOM III」、カートリッジにLyraのAtlas λおよび、Kleosを組み合わせて試聴しました。
記憶の中でのIII PremiumやV Premiumと比較してみます。
一聴して感じたのは、空間の広さと落ち着きです。元気で小気味よい鳴りっぷりが魅力のV Premiumに対し、本機「IV」は明らかに静かで緻密です。III Premiumほどの弩級の低域の重みとはまた質が異なり、音場がスッと左右・奥行きに広がる開放感においては、シリーズ屈指の実力を持っていると感じました。
空間の広さは、今までの一連シリーズの中でも最も優秀かもしれません。
特筆すべきは、表現の繊細さです。これまでのシリーズは、ダイナミックで力強い「強」の表現に定評がありましたが、Air Force IVは微小な音が消え入る瞬間などの「弱」の表現が実に素晴らしいです。これは、新型サスペンションフットと、モーターを筐体から切り離したことによるS/Nの向上も大きく寄与しているはずです。
もちろん、重心が上がったわけではありません。しっかりとした低域成分が入ったソースでは、TechDASらしい揺るぎないエネルギーが出ます。そこに「しなやかさ」が加わったような印象です。
たまたま複数のカートリッジを比較する機会がありましたが、その違いが面白いほど如実に現れました。プレーヤー自体の色が極めて無色透明であるため、トーンアームや針や盤の個性をそのまま引き出してくれる「リファレンス」としての資質も備えています。
工作精度の高さは、従来のTechDASから変わらず。Made in Japanの素晴らしが堪能できるプレーヤーです。
アームやカートリッジの組み合わせも含めて、お気軽にご相談下さい。
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