U-BOYです。
DS AUDIOの話題のスタビライザー、ES-001をお借りしましたので試聴レポートします。
世界初レコードの偏心を検出&調整可能なスタビライザーです。
レコードの偏心から発生するワウはターンテーブル自体から発生しているワウ・フラッターよりも遥かに大きいため、レコード再生システムにおいて原音を忠実に再生する為にはレコードの偏心を可能な限り減らす必要があります。
ターンテーブルの回転精度を上げても、肝心なレコードが偏心していては意味がないというのがメーカーの主張で、確かにそうだと思います。
測定方法は簡単です。
まず、スタビライザーを載せ、レコードを回転させます。
スタビライザーは2段構造になっており、回転中に上部を抑えてもベアリングで下部はそのまま回転しています。
上部を押させた状態でタッチパネルから、測定開始をタップすると、2回転で偏心を検出します。
その後、レコードを止めて、カーソルがセンターになるように位置調整をします。
レコードのスピンドルの径と、レコードのセンターホールの遊び分が調整範囲となりますので、レコードによっては、完全なセンターの位置だしができない場合もあります。
付属のリーマーを使ってセンターホールを拡大することもできます。
完全にセンターが決まると、”The center is ok”と表示されますが、手元にあったレコード10枚くらいで実験したところ、この表示が出せたのは1枚だけでした。
それでも、偏心が減少したことによる音質の改善は大きいです。
特にピアノソロのようなシンプルな作品では高域の響き方が変わるのが分かりやすいです。
明らかに偏心しているようなレコードはもちろんですが、特に問題が無いと思っていたレコードでも改善効果があります。
従来のレコード演奏の作法に、もう1手間加える必要がありますし、慣れるまで多少手間に感じる部分もありますが、使用後の音を聴いてしまうと、それも致し方ないと思える説得力があります。
最後に、世界中からDSオーディオに多く寄せられる質問に対して、Q&A形式で紹介させていただきます。
Q. ES-001でレコード偏心を調整した後にスタビライザーを外しても良いか?
A. ×ES-001でレコードの位置を調整した後はES-001をスタビライザーとしてそのまま使用してください。(外してはいけません)なぜならスタビライザーを外すと620gのスタビライザーで押さえていたレコードが外された反動で大きく動いてしまい調整した位置を保持出来ません。感覚的にいうと50μくらい簡単に動いてしまいます。
Q. レコードの穴の真ん中にセットすれば偏心がなくなるのでテーパー付スピンドルがあればES-001は不要だ。
A. ×レコードの穴の位置自体が絶対中心からずれていることがほとんどです。(JISでも200μの位置ずれは規格内となっています)その為空いているレコード穴の真ん中に位置させれば偏心がなくなるというのは誤りです。
具体的にいうと、テーパー付のスピンドルを使用すると偏心がなくなるというのは誤りです。テーパー付きのスピンドルを使用すると今空いている穴の真ん中にセットされますが、空いている穴の位置自体が絶対中心からずれている場合偏心がなくなる訳ではありません。
Q. レコードの穴が小さくてスピンドルに対してキチキチの場合調整出来るのか?
A. ×レコードの穴とスピンドルの隙間を使って調整しているので調整幅がなければ調整出来ません。その場合は付属のリーマーで穴を拡張して頂ければ調整可能になります。
ほとんどのターンテーブルにご使用できますが、スピンドルがテーパー状になっているタイプにはご使用いただけません。
ご不明な点はお気軽にご相談ください。