Esoteric ネットワークプレーヤー Grandioso N1 試聴レポート

U-BOYです。

エソテリックの一体型ネットワークプレーヤーの最上位モデル、Grandioso N1をお借りしましたので、紹介させていただきます。

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一体型ネットワークプレーヤーとして最高峰を目指した意欲作

エソテリックといえば「VRDS」に代表されるディスクプレーヤーのイメージが強いかもしれませんが、ネットワークオーディオの分野においても、近年着実に意欲作を送り出しています。

Grandioso N1においては、セパレートモデル(N1T + D1X SE)でしか成し得なかった世界を、一体型筐体に凝縮したフラッグシップモデルである位置づけとなりますが、最新のMaster Sound Discrete DAC “G2″などに焦点を当てて紹介します。

ディスクリートDAC Master Sound Discrete DAC “G2”

「汎用チップ」ではなく「ディスクリート」である理由

ESSやAKMなどの高性能な汎用DACチップは素晴らしいスペックを誇りますが、数ミリ角のシリコンチップ内に回路を収めるため、抵抗やコンデンサーのサイズ、流せる電流量に物理的な限界があります。

FPGAベースの「64bit ΔΣ(デルタシグマ)モジュレーター」

エソテリックのディスクリートDACもESSやAKMなど同様にΔΣ方式です。

FPGAに自社開発のアルゴリズムを実装。64bit/512Fsという極めて高い解像度でΔΣ変調を行い、PCMとDSDそれぞれに最適化された処理を行うことで、両フォーマットのポテンシャルを最大限に引き出します。

ICチップでは不可能な「32エレメント」の物量

FPGAで計算されたデジタル信号をアナログに変換する回路には、1チャンネルあたり32個の要素(エレメント)を独立して配置。

32回路を束ねて駆動することで、抵抗の誤差を平均化して精度を高めるだけでなく、ICチップでは不可能なほど強力な電流伝送能力を獲得。これが太く、彫りの深いサウンドの源となっています。

G2(第2世代)での進化点

今回の「G2」では、アルゴリズムだけでなく物理的な回路を刷新しています。抵抗をスイッチングする「フリップフロップ回路」のICを変更し、コンデンサーを近傍配置することで、電流供給能力の向上と低ノイズ化を実現しました。

さらに、アナログ回路のホット/コールドの電源を分離するなど、ディスクリートならではの基板レイアウトの自由度を活かし、さらなる純度を追求しています。

参考:dCS Ring DACとの思想の違い

英国dCS社のRing DACもΔΣ方式のディスクリートDACです。

dCSは、並列に並んだ抵抗器を固定せず、FPGAによる制御で超高速に「使う抵抗を入れ替える」ことで、物理的な誤差を数学的に平均化します。その結果、ノイズを可聴帯域外へ追い出し、透明度を実現します。

それに対して、エソテリックは、32個のエレメント一つひとつに独立した電源と回路を与え、「物理的な物量」によってエネルギーの損失をゼロに近づける思想です。

この思想の違いも、静けさと、力強さという特徴に現れていると思います。

音質について

試聴は、Roonで行い、N1をRoon Readyとして使用しました。
Roon Serverは、Ediscreation BACH JP MODEL、スイッチに同じくEdiscreationのFiber Box 3 JPSMとSilent Switch OCXO2 JPSMを使用しています。

まず、通常のRJ45とSFPで比較を行いました。SFPケーブルはトップウイングのSilent Fidelity SFPを使用しています。

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SFPとRJ45の切り替え設定はなく、つないだ方を自動で認識します。

明らかにSFPの優位性を感じました。
彫りの深さ、空間の広さなど大きく向上しましたので、SFPで固定して試聴を進めます。

最初に感じたのは、弱音の表現力です。
ノイズレスで静かと言う感じよりも、今まで意識しても把握しづらかったような弱音成分がはっきりと感じ取れるようなイメージです。音数がとても多い。

それに加え、音の「彫り」が非常にしっかりとしています。不自然にエッジを立ててわかりやすくした解像度ではなく、音の強弱や厚みの重なりによって、自ずと躍動感が生まれています。情報量と合わせて、これまでのエソテリック製品よりもきちんと抑揚を感じることができます。

N-01XD SEと比較しても、圧倒的な情報量です。
同じ32エレメント構成のディスクリートDACではありますが、G2はアナログ出力のプラスとマイナスそれぞれに独立した電源レギュレーターを奢っている効果も大きいのかもしれません。

G2で32個の抵抗をスイッチングする「フリップフロップIC」を刷新された恩恵も見逃せません。

海外製のハイエンドDACを使っている方にも一度聴いていただきたい製品です。
従来のエソテリックサウンドから確実に1ランク上のステージに上ったと思います。

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