U-BOYです。
話題の新製品FINKTEAM の新製品スピーカーKIMを試聴させて頂きました。
デザインは一見すると非常にシンプルで、今では珍しくなった古典的なブックシェルフタイプに見えますが、内部構増は、最新研究の塊のような構造をしています。
新開発のオリジナル・ダンピング材で接着された多層構造のMDFパネルがフロントバッフルを形成し、精密なCNC加工が施されます。サイドとリアパネルにも同様の手法が用いられていますが、さらにサンドイッチ構造が加わっており、パネル共振の不用意な広がりを避けるために、ブレーシングが一次元内で行われます。
振動に関するスペシャリストであるシュトランクが設計した独自のアブソーバーが定在波を除去。この独自のヘルムホルツ共鳴器は定在波と逆位相になっており、この画期的な構造により一般的なスピーカーのように大量の吸収材を使用せずに定在波を打ち消します。
つまり、よりHiFiなサウンドを実現しながら、低域は速く、グルーヴ感をも併せ持った音質を実現しています。
ユニットにもこだわりがあり、ツィーターには、オスカー・ハイル氏が確立した原理に基づいて動作するエアーモーション・トランスフォーマー(AMT)を採用しました。
FINK teamとムンドルフ社で共同開発したKIM専用のオリジナルAMTは、厚さ25μm(0.025mm)のプリーツ加工されたカプトン振動板に、50μm(0.05mm)のアルミニウム・ストリップを組み合わせたものです。カプトンは優れた内部ダンピングを持っており、驚異的な低歪みを実現します。高精度な製造のために、独自のエッチングプロセスを開発し長期間によるテストを積み重ねて振動板の構成を最適化する事に成功しました。
ハイスピードかつ低歪みで高解像度というAMTのメリットを持ちながら、とげとげしさのない素直なサウンドを獲得する事が可能となりました。
ウーファーには、あらたに開発した8インチのオリジナルドライバーを採用し、超大型マグネットの採用とクロスオーバーに空芯コイルを使用する事で32Hzまで低歪かつクリーンで正確な低域を実現しました。
新開発のラバー・ハーフロール・サラウンドは、特殊な素材で非常に柔らかいにも関わらず動作時に引き起こされるカラーレーションを排除するためにコーン紙を素早く終端させます。
アンプとの接続部にも一工夫あり、設置される部屋や接続されるアンプに合わせる事ができる2つのコントロール端子を装備しています。
HFコントロールは高域のレベルを3段階で微妙に変化させる事が可能です。また、組み合わせるアンプに合わせて変更が可能なダンピングコントロールも装備しており、真空管アンプ、アンティークアンプのようなダンピングファクターの低いソリッドステートアンプ、そしてダンピングファクターの高いソリッドステートアンプに適した3ポジションが用意されています。
実際、試聴してみると現代ハイエンドを象徴する、いわゆる””トレンドの音””ではないもの音楽を音楽として楽しくとらえる要素は十二分に持ち合わせており、かと言って、出てくる音の表現が”空間が狭い”や”独特のクセがつよい”わけではなく、非常に扱いやすくなおかつ、非常に爽やかで、抜ける感じもあり、さまざまな音楽をジャンルに関係なく鮮やかに楽しく聞かせてくれます。
今のハイエンドスピーカーに不満があるわけでは、ないのですが、どこか似たような個性を感じてしまっていた昨今、まさに私たちにとって”待っていた音”を表現してくれる稀有なスピーカーであると感じました。
当店では、近く本機の展示を予定しております。ご興味を持たれた方は、ぜひ当店にお問い合わせ下さい。