Piliumのプリアンプ、 AlexanderとモノラルパワーアンプHercules試聴レポート

U-BOYです。

ギリシャの新ブランド、Pilium(ピリウム)のプリアンプ、 AlexanderとモノラルパワーアンプHerculesをセットで試聴しました。

店内がすごい物量になっております。

昨年末、NASPEC社が新たに輸入を開始して話題になっていた本製品ですが、2014年、開発者Konstantinos Pilios(ピリオス)によってギリシャに設立されました。

究極レベルの音楽再生を実現するために、最高品質の設計・製造を目指し、日夜研究開発をされています。

開発を手掛ける彼らは長年オーディオファンとしての経歴を持ち、録音された音楽の完璧な再生がどうあるべきかという事を追及しています。オーディオコンポーネントはすべて、最高の技術を駆使してコストをかけずに実装され、非常に長い期間使えるように作られています。

2筐体のプリアンプ。つまみなどはなく、タッチパネルで入力および音量調整を行います。

プリアンプであるAlexanderは、電源別筐体で非常に大きく存在感がありますが、デザインは洗練されており操作部もすべてタッチパネルになることで、現代的な部分と正攻法の物量投入されている部分が、うまく両立されています。

ボリューム操作はタッチパネルですが、ボリューム自体はアッテネーターの切り替え式をあえて採用しているところに、マニア心をくすぐられました。

中身はまさに圧倒的な物量投入で、昨今この価格帯でもここまでの作りこみは、珍しいと思います。
先に音の印象も記載しますが、まさにこの中身があってのこの音だなあと実感しました。

パワーアンプであるHerculesもシンプルなデザインで、比較的コンパクトにまとめられていまが、重量は107㎏です。意匠自体は、きめ細かいサンドブラスト加工でプリアンプともマッチングされています。
サイドは全面放熱フィンになっており、デザインだけはなく実利面においても考慮した部分がうかがえます。

中身は、プリアンプ以上に物量投入しています。
写真から、うかがえる抵抗の選定具合からも素子の選別具合も今時めずらしい、実に正統派なつくりになっており非常に好感が持てます。

実際の音はどうか?というと十分な分解能、S/Nを保ちながらも物量投入型ならではの、聴きごたえのある濃密なサウンドです。エネルギーがあふれ出るようなイメージで、MAGICO M6でも余裕をもって鳴らします。
ピリウムの同セットは、MAGICO本国の試聴室でも採用されており、Mシリーズとの相性の良さも確認できました。

こだわりのパーツを惜しげもなく使ったのは、伊達ではなく、これほどまでに正統的なハイエンドの音作りのシステムは、今時珍しいという印象でした。

本システムは、決して安いものではないのですが、価格に見合うだけの充実した内容です。


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