代理店のご厚意により、SourcePoint 10を当店の環境にて試聴をさせて頂きました。
SourcePoint 10はアンドリュー・ジョーンズが 18 か月の研究開発を経てカスタム開発した、新しい 10 インチのコンセントリック ドライバーを中心に設計されたスピーカーになり、前々から興味がありました。

前回、SourcePoint 888フロアスピーカーをお借りしました。その際のレポートは下記の通りとなります。ご興味のあるかたは、そちらもご確認ください。


SourcePoint 10の設計経緯として、アンドリュー・ジョーンズが念頭に置いていたのは、40年間のキャリアを通して彼が思い描いてきたサウンドを可能な限り再現すると同時に、深みのある低⾳のインパクトを感じられるスピーカーを低コストで実現するにはどうすべきかでした。アンドリュー・ジョーンズが 18 か月の研究開発を経て出した結論は、10 インチのコンセントリック ドライバーの採用でした。

彼の開発した10インチのペーパーパルプコーンは、一般的な6.5インチのベースドライバーの約2.5倍の表面積を誇り、ほとんど動かすことなく、大きくダイナミックなサウンドを生み出します。これにより、ツイーター周囲のウェーブガイドが均一に保たれ、歪みを最小限に抑え、低音域を犠牲にすることなく、最もコヒーレントなサウンドを実現することに成功しました。
ベースドライバーの中央には、ワイドロールサラウンドと大口径ボイスコイルを備えた1.25インチソフトドームツイーターが搭載されています。このツイーターは優れたパワーハンドリングと最小限の熱圧縮特性を備え、1.6kHzから30kHzを超える帯域までスムーズなレスポンスを実現します。
磁器回路には、オリジナルのツインドライブシステムを採用しており、完全に対称的な磁界を作り出すことで、磁束変調を最小限にし相互変調歪み(IMD)を極めて低く抑えます。これによりさらなるピュアで正確なサウンドを実現しました。

SourcePoint 10の内部キャビネットには共鳴を増やさない大型のものが必要となります。SourcePoint 10は、厚いMDFパネルと強力な内部ブレースを採用しています。天板、底板、側面は1インチ 厚のMDF材に美しい天然木突板を貼り合わせています。ファセット加工が施されたフロントバッフルは2インチ厚のMDF材に、滑らかなサテンブラック仕上げが施されています。2 本の内部ブレースが上部、側面、下部を接続し、キャビネットをさらに強化します。
また、フロントバッフルを多⾯体にすることで、回折を⼤幅に低減することを狙っており、ドライバーからエッジまでの距離を変化させることで回折リップルを滑らかにし、傾斜⾯によってさらに回折リップルを最⼩限にする狙いがあるようで、結果ユーザーは、キャビネットの⾳ではなく、ドライバーの滑らかで均⼀なレスポンスだけを聴くことができるようになったとのことでした。

実際に聞いてみると非常にナチュラルで、音と音のつながりが非常にシームレスである印象でした。決して派手な音ではないのですが抑えるべきは抑えており、この価格でこれを実現できるアンドリュー・ジョーンズの技術力・開発力には驚かされました。
コンセントリック ドライバー特有の位相感の良さ、楽器位置の正確さはさすがの一言ですし、特に古い楽曲でのいやらしさが無く、すなおに素晴らしい楽曲として聞けます。今回は、あえて300Bの真空管アンプでドライブしたので、流石に最低域のドライブまではできませんでしたが、十分な”低域のエネルギー”は感じられ、より濃厚でパワーのあるアンプと組み合わされば、さらに良くなるのではという可能性まで感じられました。全体を通して、非常に良く練られた完成度の高いスピーカーであるという印象でした。
ご興味を持たれた方は、是非当店にお問い合わせください。

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