
ノスタルジックな外観のコンパクトCDプレーヤーDUNU 「CONCEPT R」は、近年相次いでリリースされいるポータブルCDプレーヤーとは違い、細部へのこだわりを感じる造りとなっております。

CDメカ部には、独自開発のCD専用メカを搭載しており、強力なレーザー光学ヘッドと高性能サーボアーキテクチャーも搭載することにより、早く安定したデジタル信号の読み取りを実現しています。DAC部には、192個の精密ペア電気抵抗アレイを使用しR2R回路を搭載しています。「現代的な高品位と、ディスクマンのポーク時の温かい音色」を目指しているとのことでした。

ヘッドフォンアンプもクラスA・ABの2つのモードで切り替え可能で、簡単に音色を変えて楽しむことが可能です。背面には4.4mmバランスライン出力を搭載し、外部ヘッドフォンアンプやプリアンプ、プリメインアンプなどと接続も可能です。

DUNU CONCEPT RをCDプレーヤーとして聞いてみると、全体的に音楽を、非常に軽やかで楽しく聞かせてくれます。かと言って情報量が少ないわけでも、空間表現が苦手なわけでもありません。設計者に狙いたいサウンドイメージがあり、この小さな筐体でどこまで近づけられるかに挑戦しているようにも感じられます。重厚な表現はあえて避けて、軽やかさ・柔らかさを重視することで、本機よりも高額な一体型プレーヤーと比較しても、音作りとして引けをとっている印象にならず、DUNU社の音作りのまとめ方の上手さに感心させられました。

同じタイミングで、フラグシップヘッドフォン「ARASHI」もお借りでき、こちらも試聴しました。ARASHIは独自の平面型ユニットを採用したフラグシップオーバーヘッドホンになります。

ダイヤフラムには、同社オリジナルの大型多層複合を採用しており、減衰、剛性、弾性 卓越した軽さと安定性を実現しており、 長時間の高品位・高音質再生を実現しました。

ボイスコイルにも同社特許技術である【プラナー・ドライバー】を採用することで、高伝導で軽量な 振動板を実現しています。また、 振動板の弾力性を最大限に引き出す ことに成功し、超繊細なディテールと幅広いダイナミックレンジの表現が可能となりました。
磁気回路においても、独自の【デュアルサイド 磁気回路マトリックス】を採用し、優れた効率を実現しました。能率は 最大97dB/mW(113dB/Vrms)を実現し、平面振動板の唯一の弱点といわれたポータブル機器等の低出力機器でも優れたディテールを確保し、幅広い運用に対応しました。

他の平面振動板を採用したヘッドフォンと聞き比べても非常に情報量に富んでおり、一聴して非常に驚かされました。なにより空間表現が秀逸で、録音現場の空気まで厳密に表現してくれている印象でした。今までの平面振動板であれば、恐らくCONCEPT Rクラスのヘッドフォンアンプでは、ドライブしきれないでしょう、ただ、独自開発の高能率ユニットおかげで十分な表現力を実現してしてくれています。
また、CONCEPT Rのヘッドフォンアンプ回路側もこのクラスでは考えられないぐらい充実しており、クラスAやABモードでの表現の違いは目を見張るものがありますし、パワー感も十分です。スライド式で、クラシックな感触がありつつ、デジタルで正確なコントロールができるボリュームやそれぞれのボタンの操作性は、音の良さのみならず、音楽再生の楽しさを改めて思い出させてくれた印象でした。DUNUの設計者が本シリーズに込めた思いの様なものが感じられて非常に興味深い体験でした。
ご興味を持たれた方は、ぜひ当店にお問い合わせください。

