TAIKO AUDIO SGM EXTREME、NETWORK CARD & SWITCH

U-BOYです。

妥協を排したオーディオPCとしてハイエンドオーディオから注目されている、オランダのTAIKO AUDIOをお借りしましたのでレポートします。

新製品のNETWORK CARD & SWITCHも合わせて紹介します。

試聴は、デモ機に内蔵されていた音楽データと、Qobuzを中心に行いました。
目次

SGM EXTREMEとは?

色はブラックも選択可能、ちょっとしたパワーアンプのような存在感。重量は45kgあります。

SGM Extremeは、理想の音楽サーバーとして何が可能であるかを追求し、長年にわたる絶え間ない研究、比較検討、そして大切な試聴を繰り返して完成した音楽サーバーです。

本国の掲示板では、さまざまな議論がされていますが、ユーザーとの距離が近いメーカーであること、音に対する追及を日々行っている姿勢がよくわかります。
参考:Extreme Server thread on Whats Best Forum

製品の主な特徴

Roonサーバーとして最適化されている

独自OSではなく、Windows 10 Enterprise LTSC 2019 OSをカスタムしたものを採用しています。
Roonサーバーとして最適化されていますが、Windowsで再生できる他の作業も可能です。

使用時はディスプレイは必要ありませんが、本体のVGA端子からモニターに接続できるほか、VPNソフトを使って別のPCから操作することも可能です。

別のWindowsから接続した様子

Dual CPUと48GB(4GB x 12)メモリモジュール

2つのCPU(Dual Xeon Scalable 10/20 core CPUs)と12個のメモリモジュール(12 x 4G = 48GB) custom memory modules.)は共有されず、2つのドメインに分割されます。
1つはオペレーティングシステム専用、もう1つは音楽関連サービスと再生ソフトウェア専用です。

Roon自体は、CPUパワー必要とするソフトウェアですが、2つのCPUと12個のメモリを使い、独自の手法で役割を分担させることで、低遅延、低ノイズ、低負荷を実現しています。

すべてのストレージは、SATAケーブルを介さず、ディスクコントローラーに直結

通常、SSDはマザーボードのDMI(ダイレクト・メディア・インターフェィス)チップセットを介してシステムに接続されています。Extremeの場合、CPUへ直接接続し、DMIをバイパスするPCIeモジュールを使用しています。

これにより、低遅延、高速、低ノイズを実現しています。

400Wリニア電源、ルンダール製チョーク、ムンドルフ、デュエルンド社の高級コンデンサー

400Wのリニア電源には、ムンドルフ(Mundorf)とデュエルンド(duelund)の最高のコンデンサーのみで構成された贅沢なパワーサプライを採用。チョークはルンダール(Lundahl)社のトランスです。

単に高価な製品を採用したわけではなく、設計陣の試聴によって採用されています。

音質について

NETWORK CARD & SWITCHも合わせてお借りしていますので、それぞれ紹介します。

現在のSGM EXTREMEは、以前オプションだった、Taiko製USBポート(3.1 タイプA)と SFPボードが標準で搭載されています。

Roonの思想としてはイーサネットでRAAT伝送するほうが良いはずですが、ネットワーク環境はユーザーによってさまさまで、ネットワーク伝送にはいろいろな障害があります。
USB接続の場合、ネットワーク環境に影響を受けずに、安定した品質の伝送ができます。

この点から、Taiko製USBポート(3.1 タイプA)が製品化されました。

フォーラムを見ても、ユーザーの多くはTaiko製USBポートから接続されているようです。
また、Windowsですので、ASIOの再生もできます。ASIOドライバー対応製品は定期的にリストが更新されています。

ASIO対応製品は日々追加されてます

SGM EXTREME単体で、TAIKO USB ASIOとイーサネットの比較

まずは、SGM EXTREMEからTAIKO USB ASIOを使い、dCS Bartok APEX DACへUSB接続と、イーサネット接続を比較しました。イーサネット環境は、Ediscreation のSilent Switch OCXO JPSMを使用しています。

当店の環境で比較すると、わずかな差ですが、USBの方が凝縮感が強く、イーサネットの方が広がりを感じました。USBケーブルと、イーサネット環境に加えて、繋ぐD/Aコンバーターにより、一概にどちらが良いとは言い切れませんし、他の要因で簡単に逆転できそうなレベルです。

予想よりもイーサネットが検討しています。

音の厚みも十分にありますが、厚みに関しては、ハイエンドディスクプレーヤーや、アナログ再生よりも濃密という印象は受けませんでした。音像型で、引き締まった音です。

SGM EXTREMEの印象としては、とにかく静かです。
暗騒音、背景の動きがとてもよく分かります。過去に体験したことが無いレベルです。

当店は、レコード、ディスク再生、ファイル再生に優越はつけず、それぞれ違う物として取り組んでおります。
ファイル再生には興味がないお客様でも、この孤高の静けさは一聴に値する世界です。

NETWORK CARD & SWITCHを追加

SFPの入出力端子が1系統ずつ。

最新のSGM EXTREMEには、標準でNETWORK CARDが搭載されていますので、SWITCHとDACケーブルを追加します。

SWITCHはSFPポートの入出力が1系ずつあります。
当店はSFPケーブルを現状使っておりませんので、RJ45から変換アダプターを介してつなぎました。

DACケーブルは、Direct Attach Copperの略で、光ケーブルではなく、銅線です。

銅の削り出しで、ずしりと重いです。クローム仕上げ

SGM EXTREMEへ直接つないでいたイーサネットケーブルの間に、このSWITCHを挿入することで、ノイズの多いRJ45インターフェイスを、静かなSFPインターフェイスに変えること、サーバーからスイッチにネットワーク処理の一部をオフロードし、内部処理ノイズを低減を目的としています。

SWITCHを入れた恩恵は明らかで、音の厚み、静けさなど、マイナス要素を感じないアップグレードです。SGM EXTREMEを入れたら必須と断言できます。

面白いのは、SGM EXTREMEの内蔵ストレージに入れた音源をTAIKO USB ASIOで聴いた場合でも明らかにグレードアップします。

まとめ

・Roon再生において、高みを目指す方であれば、1つの目標に値する製品。

・すでにRoonを使っている方であれば、操作は特別難しくはない。

・音質は、超低ノイズで、圧倒的な静寂感。音の厚みは十分にあるが、制動の効いた締まった音。

・NETWORK CARD & SWITCHは音の厚み、情報量が増える。TAIKO専用ではあるが、過去のSWITCHの中でも頭1つ抜けた存在。一般製品向けの開発も期待したい。


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