Merging CLOCK-L試聴レポート

U-BOYです。

当店でデジタル機器のリファレンスとしてお勧めしているMerging Technologiesからマスタークロックが登場しました。

代理店からお借りしましたので製品の紹介をしたいと思います。

2つのグレードがございます。

正式発売されていませんが、さらにこの上にもう1機種あるそうです。
CLOCK-L 定価210万円
CLOCK-U 定価420万円

両者の違いは10Mを生成するクロックです。

CLOCK-Lでも十二分に高い精度であり、CLOCK-Uは究極を求めるような、録音現場などに向けた製品です。

NADACには標準で外部クロック入力がございます。
10Mには非対応で、44.1/48系の整数倍の出力に対応しています。

一般的なD/Aコンバーターの場合、再生する音源の周波数と、入力するクロックの周波数を合わせる必要があります。

周波数が異なると、同期が取れなくなり音が出なくなる機械が多いですが、NADACの場合はDSDを含めた44.1系と48系で、正しいクロックが入力された場合は外部クロックと同期し、異なる周波数が入力された場合は内部クロックに自動で切り替わる仕様です。

CLOCK-LおよびCLOCK-Uは、10Mhzと44.1/48系に分周するクロックを1つの筐体に納めた製品です。10Mはルビジウムではなく水晶を採用しています。

ユニークな点はイーサネット経由で再生するRavenna用の端子に加えて、NADAC専用の出力端子を備えています。

NADACは再生する音源の周波数に合わせてクロック周波数も切り替える必要がありますが、このNADAC専用端子は625kHzという高い周波数で固定しています。
詳細は不明ですが、内部回路が安定する周波数ということで設定したようです。

625kHzを受けるには、NADAC側のファームウェアを最新にする必要があります。
詳しくはお問い合わせ下さい。

まず、標準のCLOCK-LをNADACに繋いで試聴しました。

部屋の空気感が変わるような、見通しの良さに加えて、音に力と艶が加わるような印象を受けました。ピアノの打鍵や声の質感が変わるのが分かります。

上位モデルのCLOCK-Uに繋いだ場合はさらに静けさを感じますが、ノーマルからCLOCK-Lを加えた時の変化量と比べると差は小さいです。

この違いはシステムや部屋のSNなどそれ以外にも高いレベルが要求されると思います。

せっかくなので、他のクロック入力ががある機種にも繋いでみました。

設定もフロントのボタンから簡単に操作できます。
44.1および48系を選択、何倍で出力するか選ぶだけです。

10MやNADAC専用出力は固定で出ますので設定不要です。

10M出力をEsotericのGrandioso K1Xに、通常の出力はWeiss MAN301でも実験してみたところ、いずれも空気の透明感があがると同時音に生気が出て艶っぽくなるような印象を受けました。

色々な出力ができますので、クロック入力がある機器であれば何でも繋げられると思います。

マスタークロックの中でもかなり高価な部類に入りますが、機能、クオリティー共に価格に見合った高いレベルの製品です。

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