U-BOYです。
ドイツのアナログオーディオブランドAudiospecialsの日本上陸、第一弾
「Phonolab1.5」を試聴させていただきました。
Audiospecialsは2016年にMichael Fehlauer(ミヒャエル・フィーラワー)氏によって設立されました。
ミヒャエル氏は元々カメラマンですが、ミュージシャンであった父親の影響で音楽に興味を持ち、若いころからレコードでオーディオを楽しんでいました。
オーディオ再生の追及に没頭したミヒャエル氏は、2008年に自作のモノラルフォノアンプを作り上げ、それをきっかけにオーディオ機材開発を始めます。Audiospecialsは100%アナログ関連機材に特化した、オーディオ業界でも非常に稀な企業であり、ミヒャエル氏の飽くなきアナログ再生への挑戦は今後更に加速します。
「Phonolab1.5」は電源部が別筐体となるフォノイコライザーで、入力段はMM/MCともにモジュール化されており、交換も可能です。基板の設計や取り回し、配置、配線、パーツ選定の最適化などにより、S/NがMCで-148dB、MMで-136dBを実現しています。なお、MMボードにはMCトランス使用時専用のMM/SUTボードも別に用意されています。
見た目はコンパクトながら、中身はパーツを厳選し、がっちりと作りこまれています。
回路においても独自のグループ回路レイアウトを採用し、伝送長を極限まで短くする事により-148dBV(MC)という驚異的な低ノイズ回路を確立しています。
入力は2系統用意されており、それぞれMM、MCを自由に組み合わせる事が可能です(注文時選択)。また、MMモジュールにはMCトランスとの接続をより最適に行えるよう、専用のMM-SUTモジュールも用意しています。背面のディップスイッチでは、入力インピーダンスの調整が、ディップスイッチでは5段階ゲインレベル調整(周波数特性偏差±0.1dB以下の高精度調整)が設定できます。
実際の音はというと、非常にバランスの取れた音作りの印象です。
S/Nは非常に良く空間表現も実に緻密で、楽器の配置が手に取るように分かるのですが、それだけにならずにちゃんと、音楽性を保ってくれています。
どうしてもスペックの追及が先行してしまうと、音楽性が取り残されがちなのですが、レコーディングエンジニアがどこにスポットを当てたいのかを正確に読み取り理解して、それ以外の部分は、あえて目立たないような表現をしてくれています。かと言ってその部分を聞き込めば、きちんと情報量は出してくれる非常に優れたフォノイコライザーな印象でした。
ご興味のある方はお気軽にご相談ください。