U-BOYです。
オーレンダーの最上位モデルであるW20SEを代理店からお借りしましたのでレポートいたします。
ディスプレイは任意で明るさを変えたり再生中にオフにもできます。
クリティカルリスニングモードというフロントディスプレイやその他バックグラウンド機能を無効にする音質重視モードもございます。
本機はD/Aコンバーターは内蔵していないミュージックサーバー兼、トランスポートという位置付けです。高品位なD/Aコンバーターを持っている方に対して設計されていることもあり、本体の仕上げ、質感もハイエンドオーディオ製品と比べても遜色ありません。
一般的なネットワークプレーヤーはNASなどのUPnP/DLNAサーバーを経由してデータ再生を行っています。
そのため、ネットワークプレーヤー以外にNASがあり、それらを繋ぐスイッチングハブ、LANケーブルが必要です。それらは音質面でも考慮しなければいけない項目です。
当店でお勧めしているRoonの場合でも、Roonのコアを入れるPCの性能、スイッチングハブ、LANケーブルは音質に大きく影響します。
オーレンダーの場合、NASや外部USBの音源も再生はできますが、基本的には内蔵ストレージにデータをコピーする思想です。データを内部に入れることで、ネットワーク上の影響を受けなくなるメリットがあります。
また、音源のストレージとは別に、データーキャッシュ用のストレージが用意されています。
TidalやQubozなどのストリーミングの再生においてもキャッシュは有効です。
まず、dCSのBartok DACを使ってNADACのRoonCoreを使ったRoonによる接続と、オーレンダーによるUSB接続を比較しました。
W20SEによる接続は、ファイル再生にありがちな腰高な感じがなく、どっしりと安定した音であると感じました。ノイズレベルが極めて低く、普段は気づきにくい音源の暗騒音まで良く分かります。
またSNが高いとスッキリと細い音になりがちですが、音の厚みもしっかりと出ます。芯がある強い音ではなく、繊細な音でありながら情報量が多くて音に厚みがあるような印象です。
NADACのRoonCoreはRoon専用PCのNucleusと同等以上のレベルですので、W20SEの再生能力の高さが良く分かる結果となりました。
次に、RAVENNA接続も検証してみました。
比較対象はもちろんNADACです。
当店のNADACはRoonCoreを内蔵してるNADAC Playerですので、NADAC PlayerとしてのRoonでの再生と、W20SEからイーサネットによる RAVENNA接続 との比較です。
W20SEによる RAVENNA接続にすると、NADACのやや明るめのキャラクターが落ち着いた音調に変化して、 中低域が安定するような方向に変化しました。
NADAC Playerの場合は、RoonCoreとDACが一体化しているメリットもあると思いますので、先のdCSほどの大きな違いではないですが、同じDACを使ってもキャラクターの違いがよくわかる面白い結果となりました。
Roonの利便性はここでは述べませんが、オーレンダーのアプリも良く考えられていて、LINNやLuminのアプリを普段使っている人であれば直ぐに慣れると思います。
レスポンスも良く動作も安定しています。
DSFやWAVEのタグも問題無く読めますし、日本語表記も対応しています。以前紹介したタグ編集ソフトMP3tagでいうと、指揮者、作曲家の表記、ソートまで対応していますのでクラシック好きの方とも親和性は高いです。
タグ編集、整理が苦手、できない人には丸投げできるRoonのメリットはありますが、自分でしっかりとタグ管理ができる、今までのファイル再生の音では満足できない高音質志向の人向けの製品だと思います。