U-BOYです。
dCSの最上位モデルである、Vivaldi Transport II & Vivaldi APEX DACをお借りしましたので、レポートいたします。
Vivaldi Transport II
dCSのトランスポートは、古くはソニーメカ、フィリップスメカを採用し、近年は、エソテリックメカを搭載していました。
多くのメーカーがそうであるように、エソテリックが他社にメカ供給を止めておりますので、D&Mメカで再出発しています。
下位のRossini Transportは既にD&Mメカを搭載したSACDトランスポートです。
基本設計は同じようですが、Vivaldi Transport IIは、Vivaldiシステム用にチューニングされたプログラムがされているそうです。
また、内部写真における基板レイアウトなどは変わらないように見えますが、サイズが同じでありながら重量が3kg違いますので、筐体剛性や、見えない基板下などに違いがあると思われます。
Vivaldi APEX DAC
当店では、BARTOK APEX DACを常設しております。
現行のdCS製品のD/Aコンバーター部は基本的に同じです。APEX DACへのアップグレード価格が各モデル同一なのも、同じ内容のアップデートだからです。
BartokとVivaldi DACは筐体のサイズも違いますが、ネットワークオーディオ用、ヘッドフォンアンプ(オプション)なども1つにまとめたBartokに対して、よりD/Aコンバーターに専念した設計、電源なども奢っているVivaldi DACとの音の違いも気になっていました。
音質傾向
D1.5 player Zephyrn Editionと比較
当店に常設中のCH Precision D1.5 player Zephyrn Editionと比較しました。
Vivaldiはアップサンプラー、マスタークロックを入れた4筐体で完全体です。
今回はトランスポートとD/Aコンバーターのベーシックなセットです。
事前にいくつかのCDを聴いて、当店の環境ではRCA出力、出力電圧2Vが良いと判断しました。
比較すると、dCSは1つ1つの音に生命力があり、積極的に音楽を聞かせ、CHは落ち着いていて、音楽全体を客観的に捉えるイメージです。
dCSはアップサンプリングの方法、フィルターでも音の印象が変わりますので、デジタル機器でも自分好みに追い込む楽しさも併せ持ちます。
空間の出方も、高さ方向、奥行方向に両者の違いを感じましたが、音源との親和性もあるので、ここでは触れないでおきます。
ディスクプレーヤーの新製品は例年少なくなっていますが、少し前のトップモデルと比較しても確実な進化を感じます。
BARTOK APEX DACと比較
トランスポートはVivaldi Transport IIに固定し、デュアルAES-EBU出力で、両者を比較しました。
音作りのキャラクターとしては同じ傾向です。
どちらも2V出力で比較しています。Vivaldiの場合、6Vにすると音源によっては強すぎるように感じますが、Bartokの方が6Vにするデメリットは少ないかもしれません。
音の鮮度感、空間の広さなど明確な違いが出ました。
物量でしか乗り来えられない壁があることを再確認しました。