U-BOYです。
EdiscreationのオーディオPC、最上位モデルのBACH JP MODELをお借りしましたので、レポートいたします。
以前のHAYDN JP MODELのレポートはこちら
Ediscreation BACH JP MODELについて
製品の主な特徴
オーディオグレードの筐体を採用
最高品質航空機グレードの6061ソリッドアルミニウムから削り出したCNC一体型シャーシにより、機械的振動を低減し最良のEMI絶縁を実現。
赤銅製ファンレス冷却システムを採用。機械振動を排し完全な静穏性を実現した高音質設計としています。
リニア電源、ノイズ対策
CPU用、RAM/SSD/マザーボード用、OCXOシステムクロック用に、3つの独立したトロイダルトランスによるリニア電源(500W)を搭載。また、グランドチョーク付き3ステージパワーコンディショナーがACラインからのDC/EMIノイズを完全に遮断します。
高音質Bybee Quantum Purifiersを電源部に採用。
量子力学レベルで動作し、信号を構成する電子の流れを調整します。Bybeeを通過する間に、量子ノイズが電子から取り除かれ、後続の導体を流れる電子の流れは合理化されます。不要な量子ノイズは内部で熱として放散されます。
OCXOシステムクロック搭載
超低ジッター0.25-0.35psのOCXOシステムクロック搭載。周波数安定度±20ppb phase。
このクロックはPC全体を制御しますので、リッピング時にもメリットがあると思います。
ダイレクトUSB DAC出力ポート搭載。
ノースブリッジのチップセットICからケーブルごと分離されています。よりノイズが少ないピュアなサウンドを実現。
PCとしての仕様
サーバーグレード・マザーボードを採用、Windows Server 2019搭載。
CPUは、Xeon 6CORE 12T。メモリは16G DDR4 ECC RAM with error correction。
2つのLAN端子を搭載し、本機から直接オーディオ機器へイーサネット接続が可能。
ストレージは標準がSSD2TB。オプションで4TB、8TB(4TBx2)が選択可能。
(OSもこのストレージ内にインストールされています。)
CDドライブを搭載し、高品位なリッピングが可能。
音質について
再生ソフトはRoonを使用しました。
イーサネットとUSBの比較
イーサネットとUSBはどちらも音質に力を入れていますが、原理的にダイレクトUSB DAC出力ポートの方がレイテンシーの面では有利だそうです。
イーサネットとUSB接続に対応している、Molamola / Tambaqui DAC、dCS / Bartok APEX DACの2機種で比較しました。スイッチは、同社のSilent Switch OCXO JPSMを使用しています。
当店の環境では、USBの方が解像感がありくっきりとした音、イーサネットは穏やかでゆったりとした音と感じました。
NADAC Player のRoon Serverと比較
常設で使用しているNADAC PlayerのRoon Serverと比較ました。
NADACはUSB出力が無いため、イーサネット接続での比較です。
Bachは、アナログ電源、削り出し筐体の恩恵による、どっしりとした、音の厚みがあります。
大味にならずに細かい表現もきちんと出ていますが、チューニングし過ぎたPCのような危うさ、神経質な感じが無く、安心して音楽に浸れます。
ふだんディスクやレコードがメインで、ファイル再生の音がきれいだけど薄いと感じる方でも、満足いただけるレベルだと思います。
Ediscreation BACH JP MODEL まとめ
BachはWindowsサーバーを使用しているため、Roon以外の一般的なWindowsのソフトが利用できる。
ディスプレイにつなげて動画再生もできる。
オーディオ用途でしか使用しない場合は、別のPCからリモートアクセスで操作も可能。
一般的なPCを使った再生とは、音の密度、安定感が大きく異なる。
削り出し筐体、アナログ電源、OCXOシステムクロック搭載の恩恵は非常に大きい。
良いディスクプレーヤーのような、安定感のあるドッシリとした音。
ファイル再生でありがちな、線の細さ、神経質な感じが皆無でありながら、緻密で弱音の表現も豊か。