U-BOYです。
話題の非接触ドライブ方式を採用した、Esoteric初のアナログプレーヤー、Grandioso T1をお借りしましたので、レポートいたします。

イタリアのBassocontinuoのラックに設置しました。黒とシルバーのコントラストも含めて、違和感の無い納まりだと思います。
特許を取得した独自の非接触ドライブ方式 「ESOTERIC MagneDrive System」を搭載。
マグネッティックドライバーとプラッターが磁力を使い、非接触で同期回転することにより、正確で静粛な回転を得ることができます。この効果は大変大きく、とにかく情報量が多いです。
また、マグネティックドライバーとプラッターの距離を変えることで、音の変化を楽しむことができます。モーターのトルクが変わったようなイメージでしょうか。近づけると力感が増し、遠ざけるとしなやかな方向に変化します。

また、外部10Mhz入力も装備。同社のGrandioso G1Xを繋ぐと、デジタルプレーヤーと同じように、音の前後間や空間の広がりが出ます。理屈は正直分かりませんが、かなり効きます。
約20kgあるプラッターはマグネフロート方式プラッターで軸受けの摩擦抵抗を大幅に低減、プラッターの支点がレコード盤面に近く、回転の安定度を高めるインバーテッドベアリングを用いています。Spiral Grooveのプレーヤーなどにも採用された理にかなった方式ですが、Esotericはそれを極めて高い精度で実現しています。

アームはIKEDAのダイナミック型がベースです。
聴くまでは、他のアームでも聴いてみたいと思っていましたが、トータルとしてこれだけ高いレベルの音が出てしまうと、IKEDAのアームも良いのかも?と思ってしましました。
ユニバーサルタイプを好まれる方もいらっしゃると思います。
実際に、純正のセットで買われる方が多いそうです。
もちろん、アームレスで他社のアームも付けることもできますし、2nd、3rdアームを装着することも可能です。
詳しくはご相談ください。
セットアップに関しては、かなり簡単な部類に入ると思います。
一番神経を使うのが、マグネッティックドライバーと本体の微妙な位置調整でしょうか。
専用治具がありますが、ゴム脚の経年変化で、定期的な微調整は必要かと思います。
また、重量のあるプラッターをゆっくりと回しますので、プレーヤーの立ち上がりはかなりゆっくりと回ります。

ターンテーブルシートや、スタビライザーをあれこれ替えるのもアナログの醍醐味の1つかと思いますが、非接触プレーヤーの優位性である余計な振動が伝わらないメリットは、シートやスタビライザーを使うと半減してしまうようです。
素の状態がおすすめです。
アナログ再生は、色々な方式があり、どれも一長一短あると思います。
例えば、力感は出るが細かな音が出ない、空間は出るが音に芯が無いなど…。
Grandioso T1の音を聴いていると、静寂感ともに、音数の多さを感じます。
最初は情報量が多くて戸惑う部分もありましたが、空間も広く、力強く出るところはきちんと出ている印象で、どのベクトルでも申し分のないレベルの音だと思いました。前後間や、隠れがちな弱音の情報まで申し分ありません。
非接触?それ音いいの?
と思う方もいると思いますが、聴くとイメージが一変すると思います。
