U-BOYです。
M2TECH のフォノイコライザー、Joplin MkIIIの試聴レポートです。
購入されたお客様から、取りに来るまで店で使って良いというご厚意に甘えさせていただき、店頭でデモさせていただきました。
Joplin MkIIIは一般的なフォノイコライザーと大きく異なります。
FPGA回路で32Bit精度によるカーブ補正により、多種多様なイコライザーカーブに対応。任意の周波数、解像度にA/D変換して、デジタル出力してD/Aコンバーターへ接続します。
イコライザーカーブの他、サンプリング周波数や解像度、ローパス、ハイパスフィルターの有無などを設定可能です。
通常の同軸デジタルやAES/EBUに加えて、HDMI端子を使ったI2S出力にも対応しています。
入力インピーダンスの設定のみ、背面のぽテンションメーターによる手動設定です(10Ω-50KΩ)。
ゲインを上げ過ぎた際にはCLIPの表示が出るため、視覚的にも最適な出力を確認しやすいです。
カートリッジはLyraのKleosを使用し、DACにMola Mola TambaquiとdCSのBartokと組み合わせました。
Joplin MkIIIは、同軸やAES/EBUではPCMのみに対応ですが、I2SではDSD256まで出力することが可能です。
ただし、Mola Mola Tambaqui のI2S入力はPCM限定の仕様のため、176kHzで試聴しています。
BartokにはAES/EBU接続、こちらも176kHz/24bitとしています。
音の印象としては、まずとてもSNが高く透明感があります。
いわゆるデジタルっぽさは感じません。良いアナログの音がします。
音色的なキャラクターはほとんど無いと思います。繋ぐD/Aコンバーターのキャラクターが素直に出るイメージです。
透明度の高いTambaqui、適度な厚み、温かみのある Bartokの印象は変わりませんでした。
イコライザーカーブに関しては、LPレコード用に16のカーブ、SPレコード用に7つのカーブを備えています。
近年、ステレオ時代のレコードでもRIAAではない物がたくさんあるという主張をするメーカーも少しずつ増えてきました。
イコライザーカーブに関しての詳しい言及はあえて控えますが、このレーベル=○○カーブという単純な話ではないと思います。選択し判断できることは素晴らしい機能だと思います。
唯一、位相反転機能も追加して欲しかったです。
既に良質なデジタル機器を揃えている方には、その資産を生かせるという意味でも価値ある製品だと思います。