Jeff Rowland Model 535 試聴レポート

U-BOYです。

お客様からの試聴リクエストがあり、Jeff Rowlandの最新パワーアンプModel 535をお借りしました。


1台でステレオ仕様、2台でモノ使いができる大変便利なパワーアンプです。
今回のリクエストはモノ使いが前提でしたので、2台お借りしています。

AyreのMX-R Twentyおよび、Dan D’AgostinoのMOMENTUM MONOと比較しました。
プリはAyre KX-R Twenty、スピーカーはMAGICO M3で固定です。

Ayreは当店のリファレンスで、それを基準にスピーカーのセッティングもしています。
Ayreですから純正のハンデはもちろんあります。

それでも思った以上にパワーアンプのキャラクター差を確認できました。

Model 535はいわゆるD級アンプです。ICE Powerを採用したModel201や501、最近だとHypexを採用しているモデルも多く出ています。

535はデンマークのPascal社を採用しています。
日本ではあまり馴染みがありませんが、一部では評価の高いデバイスのようです。

過去の試聴の中でのイメージとの比較では、D級アンプの中では適度な中域の厚みを持っている印象です。高域もうるさくなくて、スピード感、力感もあります。

モノ使用で900W/8Ωの出力はさすがです。Magico M3でも過不足なく鳴らします。一日鳴らしていても本体を触っても全然熱くならないのも素晴らしいですね。

応答速度や位相特性などは最新デジタルアンプらしい優位性を感じます。
ハイスピード系の音が好きな方にもお勧めです。

MX-R TwentyやMOMENTUM MONO、いわゆるアナログアンプの良さももちろんあります。一番のメリットは音数の多さではないでしょうか。

デジタルアンプはハイスピードでSN感は高いですが、本来出るべき暗騒音のようなものが一部無くなってしまうような印象は有ります。雄大なスケール感、ソース側に収録されている気配感のようなものはハイエンドアナログアンプにしか出ない世界もあります。

D級アンプを毛嫌いされる方もいらっしゃいますが、反応速度の良さ、中低域の厚みもしっかりと出ますのでうるさい感じはありません。
Model535はかなり優秀なアンプだと思いました。

サイズ感、エコ志向も含めてリビングなどの制約のある環境では最善のアンプの1つかと思います。

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