CANOR AUDIO フォノイコライザー、PH1.10試聴レポート

U-BOYです。

新ブランド、スロバキアのCANOR AUDIO(カノア・オーディオ)の紹介です。
輸入元はタクトシュトックです。

カノア・オーディオは自社内にSMT(Surface Mount Technology)ライン、陽極酸化ライン、CNC機械などを保有しており、社員数はおよそ90人とヨーロッパ最大級です。

同社は多くのオーディオブランドのODMを請け負っています。
ODMは、設計された製品の生産のみを行うOEMとは異なり、設計、開発から製造までの一切を請け負い、完成した製品を依頼されたブランドに納入まで行います。
カノア・オーディオの設計能力、技術力の高さはこのことからも折り紙付きと言えます。

また、同社が開発した真空管測定機・テスターは、多くの真空管製造業者や販売業者に供給されています。
真空管ブランドが信頼しているというこの事実が、カノア・オーディオが真空管のスペシャリストであるという証明とも言えるでしょう。

管球以外にもトランジスタアンプも多く手掛けておりますが、ブランドを象徴する製品である管球式フォノイコライザーから取り扱いが開始されます。

日本デビュー作のフォノイコライザーPH1.10の試聴レポートします。

なお、後日発売予定のプリメインアンプもお借りしております。
こちらもフォノイコライザー同様、伸びやかなで気持ちの良いサウンドです。

フォノイコライザーとしてはかなり大きいです。サイズ的な余裕の恩恵か、人肌程度で思ったより熱くなりません。
各種設定も直感的に分かりやすいです。

入力はMMとMCが各1系統。出力はRCA/XLRが各1系統です。

MC1が70dB、MC2が76dBです。それぞれインピーダンスと、サブソニックフィルターのON/OFFの設定を保存できます。
インピーダンスの設定幅がMC1とMC2では異なります。
MC2は低インピーダンス、低出力のMCを視野に入れていると思われます。

試聴はLyraのKleosで行いました。
MC1の150Ωにしました。インピーダンスの値は一般的なフォノイコライザーよりも出音に大きな違いを感じました。

寝起きは悪いですが、レコード片面再生終わるころにはかなり改善されます。
ストレスなくスーッと伸びやかな気もちの良いサウンドです。
同代理店が扱っているFinkTeamのスピーカーに通じる世界観です。

空間も広いですし、ノイズレベルも低く音数も多いですが、オーディオ的要素を満たしたうえで、音楽に没頭できるような音作りのうまさを感じます。
人肌程度に暖まってくると、中低域の密度感も出てきます。


カノア・オーディオは、他社の設計、製造も多く手掛けており、その中には日本でも人気のある製品も含まれています。視認性も高く直感的に使いやすいですし、信頼性の点も安心できるブランドではないでしょうか。

今後注目していきたいブランドです。

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