U-BOYです。
CHORD COMPANYが長年培ってきたノイズ対策技術の集大成として、アナログレコード再生に特化したPhonoARAYが登場しました。
試聴する機会を得ましたので、その性能と効果についてご報告いたします。
なお、お借りしたのはプロト版です。製品版はつや消しの外装で、メーカーのロゴがプリントではなく刻印に変わっています。付属ケーブルはYラグに変わります。


同社は1990年代後半から、オーディオシステムにおける信号保護技術の開発に取り組んできました。デジタル機器の普及に伴い増加する高周波ノイズに対し、独自のシールディング技術を確立。これは後のケーブル設計にも大きな影響を与えることになります。
2019年、GroundARAYを発表。アレイテクノロジーを実用化し、各種デジタル機器に対応する専用設計を採用しました。続く2020年にはPowerARAYを投入し、電源ラインのノイズ除去によるシステム全体の最適化を実現しています。
アレイテクノロジーは、オーディオ機器の接続部で発生する「信号反射」の問題に対処するCHORD COMPANY独自の技術です。
信号反射とは、インピーダンスが大きく変化する接続部において、信号の一部が送信元方向へ反射してノイズとなる現象のことを指します。アレイテクノロジーは、専用の「アレイ線」を追加配線として使用することで、この反射ノイズを効果的に吸収・減衰させ、より正確な信号伝送を実現します。
GroundARAYおよびPowerARAYは多くのお客様からご好評いただいております。
PhoneARAYについて
アナログレコード再生に特化した専用設計です。
アナログプレーヤーとフォノイコライザー間のフォノケーブルのアースラインを利用してノイズを除去します。
PhonoARAYはトーンアームをアンテナとして飛び込んでくる外来の高周波や電磁波に対しても効果があるそうです。

試聴にあたり、プレーヤーはEsoteric Grandioso T1およびVERTERE SG-1PKGを、フォノイコライザーはEMT 128およびSOULNOTE E-2を使用しました。

2機種のプレーヤー、フォノイコライザーの組み合わせで検証しました。

フォノアレイをシステムに加えて、あり・なしを比較しました。
追加すると、レコード特有のノイズが消えるわけではありませんが、音に潤いのような滑らかさが出てきます。
元に戻すと、粗さが目立ち、少しカサカサした感じがします。
また、盤のノイズの耳障りな感じが減少し、背景の見通しがよくなり全体的に聴きやすくなりました。信号ラインには何も影響がないはずなのに、音も濃くなります。
2つのプレーヤー/イコライザーで色々と組み合わせてみましたが、どの組み合わせでも同様の変化を感じました。
試聴には2種類のプレーヤーとフォノイコライザーを様々に組み合わせて使用しましたが、いずれの構成でも一貫して同様の効果が確認できました。当店での試聴環境において、GroundARAYよりも大きな変化を感じました。
ご興味を持たれた方は、是非当店にお問い合わせください。