CANOR AUDIO Virtus M1+ Hyperion P1を試聴しました

U-BOYです。

CANOR AUDIOのリファレンスの組み合わせであるVirtus M1 + Hyperion P1をお借りしました。

カノア・オーディオ社は、1995年にスロバキア共和国東部のプレショフに設立されました。社名はラテン語で"音"そのものを意味するCANOR(カノア)からとられています。1995年4月にブルノ (チェコ共和国) で開催された展示会で、最初の作品であるTP101真空管インテグレーテッドアンプのプロトタイプが発表されました。カノア・オーディオの真空管アンプは設立当初より母国をはじめ東欧圏を中心に高い評価を受けていましたが、2008年頃から西欧、北米マーケットへの進出を果たし、近年ではおよそ35カ国に輸出され、世界中で数々の賞を受賞するブランドに成長しています。

同社リファレンス・プリアンプであるHYPERION P1は、ゼロフィードバック・ピュアクラスA真空管プリアンプです。堅牢なアルミニウム製のシャーシは耐久性に優れ余計な振動を低減し、ゼロ・グローバル・フィードバックによりリアルなサウンドを実現してくれます。

ACCURATE BALANCED ATTENUATOR


採用されたアッテネーターの信号経路は右チャンネルと左チャンネルで独立したバランス設計。1dB単位のゲイン制御を提供し、最小減衰量は63dBです。オリジナル設計により、信号はボリュウムに応じて0から最大6個のリレー接点を通過します。さらに、アッテネーターは特殊なアルミボックス(厚さ10mm)の中に設置され完璧なシールドを提供し、特殊な設計により振動も吸収します。また、アッテネーターコントロールは、オプティカルドライバーを介して電気的に分離、さらにアッテネーターや電子部は防振パッド(支柱)上に配置されており、全体的な振動の除去に貢献しています。

ZERO GLOBAL FEEDBACK / INTERFERENCE ELIMINATION

Hyperion P1はバランス回路かつ、ピュアクラスAプリアンプとして設計されていながら、グローバル・フィードバックを避けるように設計されており、信号の高純度増幅に徹底的にこだわりました。またアナログ部とパワー部は厚さ10mmの強固なアルミ壁で隔てられており、相互の干渉を防いでいます。

モノラルパワーアンプ VIRTUS M1は、リファレンスラインに位置する最新設計ピュアクラスA真空管パワーアンプです。回路は、ブリッジ設計となっており、HYPERION P1と同様の堅牢なアルミニウム製のシャーシは耐久性に優れ余計な振動を低減し、対称デザインが信号干渉を排除します。

VIRTUS M1はAI1.10でも好評を得たトライオードモード(55W)とウルトラリニアモード(110W)をスイッチひとつで切り替えられる機能に加え、新たにフィードバック接続とゼロ・フィードバック接続を音楽の再生中に瞬時に切り替えられる機能を追加しました。

そのためVIRTUS M1は音楽の種類や、組み合わせるスピーカー、そして個人の好みによって、トライオード / ウルトラリニア、フィードバック / ゼロ・フィードバックを自由に組み合わせる事が可能です。

VIRTUS M1はリアパネルのスイッチによって、音楽再生中にフィードバック接続とゼロ・グローバル・フィードバック接続を瞬時に切り替える事が可能です。トライオードモードとウルトラリニアモードも電源をOFFにする事なく前面パネルのボタンを用いて切替が可能(真空管の長寿命化の為に、音楽ソースを一時停止してから切り替える事を推奨)。

音楽の種類、組み合わせるスピーカー、そして個人の好みによって、自由に組み合わせる事ができます。

CANORのオリジナルトランスのコアは真空含浸されており、さらにトランス全体は特殊な防振コンパウンドでカプセル化されています。また、トランスが設置されている堅牢な溶接されたカバーは、強力な電磁シールドとしての役目を果たし、優れたS/Nに大きく貢献しています。

濾過容量は3,900μF/550V。溶接カバーの下に配置されたチョークがアノード電圧のリップルを除去し、アノード電圧の100Hz成分のフィルター効率を高めています。入力に追加されたコンデンサーが、アノード電圧濾過のダイナミック性を向上させ、高調波歪みに至っては、1 Wで0,0028 %、5 Wで0,011 %、50 Wで0,13 %を達成いたしました。

出力パーマロイ・トランスは、VIRTUS M1用に特別設計されました。信号経路には高品質のポリプロピレン・コンデンサーだけを使用し、信号経路の導体は、純銀でコーティングされた低速引き抜き無酸素銅で構成されています。

実際に音を聞いてみると、ウルトラリニア接続ではスムーズで、ドライブ力もあり、歪みが非常に少なく、わざとらしさが一切ない自然な印象です。真空管であることを一切感じさせない、その完成度は最新の素子を使ったアンプではないか?と誤解してしまうぐらい素晴らしい出来です。

フィードバックありの場合は、音色が変わるというよりは、ソフトなタッチになる印象ですので、楽曲や好みに合わせて切り替えができるのは非常に便利です。

三極管接続では、独特の響きがのり、全体的に煌びやかになる印象ですので、こちらも味付けとして使用できるのは非常に面白いと感じました。

全体を通してのアンプとしての完成度もさることながら、切り替え機能を使用してもびくともしない回路の安定具合にCANOR社の技術力の高さを感じました。

ご興味をもたれた方は、ぜひお問い合わせください。

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