DELA – S1-X-J 試聴レポート

U-BOYです。

DELAの新リファレンスネットワークスイッチ「S1」が発表されました。
短期間ながら試聴しましたので、レポートします。

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目次

DELA ネットワークスイッチ「S1」について

DELA S1
N1同様、フルサイズの筐体

日本でもいよいよQobuzがスタートします。今後ストリーミング再生の需要はますます増えていきます。

S1は、高音質ストリーミングの未来を切り拓く、DELAの集大成とも言えるリファレンスモデルです。
これまでの DELA のスイッチに関する10年以上の技術とノウハウを結集して開発されました。

オーディオファンの需要をほぼ全て網羅していると言ってもよいでしょう。

主な仕様は下記のとおり。

画像
  • N1相当の電源とシャーシを採用。
    電源はアナログ電源を内蔵し、整流回路を経て供給する。
    フルサイズシャシーは底板にステンレス厚板を採用。低重心デザインとし、ネジ穴のないトップカバーやコーナー部などアルミ削り出し部材を多用。
  • 4系統のSFP+のポートを採用。
  • 7系統のNeutrik社製RJ-45ポートを採用。
  • 11個のポートは、前面のボタンから、ON/OFFおよびリンク速度の設定が可能。
    LEDの色で視覚的に設定した速度が確認できる。LED自体のON/OFFもできる。
    リアのLEDで通信速度の確認ができる。これもON/OFFができる。
  • メイン・ボードには『N1』『N5』を継承した低位相ノイズのクロックを搭載。
  • 10MHzのオーディオ用外部クロック入力も備える。
  • リアパネルにはUSB電源端子も設けられており、『S1』のクリーンな電源でWi-Fiアダプタなどのネットワーク機器を駆動できます。
DELA S1
前面ボタンで各系統のON/OFF、上限速度の設定ができます

従来のスイッチとの大きな違いの1つが、前面ボタンで各系統のON/OFFに加えて、速度の設定ができる点です。

写真では分かりにくいですが、RJ-45は1G(青)/100M(緑)/10M(オレンジ)の3段階で切り替えができます。
Roonサーバーや、RAAT接続のようにギガビット前提の製品もありますが、一般的なネットワークプレーヤーの場合は100Mの製品も多いです。

店頭の環境では、10M設定でもQobuzの192kHz/24bitや、ローカルファイルのDSD64までは途切れることなく再生できました。100Mであれば、DXDやDSD256でも問題ありません。

使わない端子をOFFにできる機能も便利です。

  • 大量の音源を10G SFP+でNASにバックアップをする、使わないときはOFFにする。
  • メインのNASをふだんは100Mで運用。データのバックアップの時だけ1Gに変更する。
  • 複数のネットワークプレーヤーを使う場合は、使わない機器をOFFにする。

など、いろいろな用途が想定できます。

DELA S1
前面のLEDは設定した速度が分かりますが、後面のLEDは実際の通信速度がわかります。

通信速度を1Gに設定しても、機器がギガビット非対応で100M通信の製品も少なくありません。
背面のLEDで実際の通信速度が確認できます。

この場合は、機器の通信速度に合わせて、前面ボタンで100Mに合わせます。
前面、背面のLEDはそれぞれON/OFFができます。

音質について

比較対象は、EdiscreationのSilent Switch OCXO2 JPSM & Fiber Box 3 JPSM(以下JPSM)です。

試聴で使ったシステム

  • SP: B&W 801D4 SIG
  • Roon Server: Ediscreation BACH JP MODEL
  • DAC: Mola Mola – Tambaqui DAC(イーサネット接続)
  • AMP: CH Precision – L10 & M1.1
  • ソフト: Roonを使用。音源はBachのストレージに内蔵しているもの、Tidal、Qobuzを使用

丸一日暖機させて試聴しました。
外部クロックおよび、SFPは使用していません。

まず、S1は明瞭度が高く、レンジが広いクッキリとした音の印象を受けました。
特に高域方向はひずみ感がなくきれいに伸びています。

輪郭がしっかりしていてメリハリがあります。
空間の広さ、前後感の表現も十分ありますが、この点はJPSMの方がやや有利だと感じました。

NASのN1は、ディスクプレーヤーのような厚み、低重心で安定感ある音でしたが、S1はとても洗練されています。開発はN1を使って音決めしていると思いますので、この2つでちょうどよいバランスが完成するのかもしれません。

ファイル再生において、スイッチングハブはとても重要です。
当店でも、初期はバッファローブランドのBSL-WS-G2108M/Aを使用し、QoSやVLANの設定をして運用していました。

日本から本格的なオーディオグレードのスイッチングハブが出たことはとても感慨深いです。
今後、SFPをメインにネットワークを運用したい方、複数のネットワーク機器を使われている方には、特におすすめです。

S1は単なるスイッチングハブではなく、ハイエンドオーディオシステムの心臓部として機能し、音楽再生の全体の水準を底上げしてくれるはずです。

ご不明な点はお問い合わせください。

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